1.恋した相手は

俺は本気で好きな人ができた。しかし名前がわからない。わかっている事は1つ年上だということ。でも、同じ学校だからそこまで落ち込む事は無い。

「髪とか染めとるんか?」
「黒髪っスよ」
「何組かもわからんのか?」
「たぶんA組だと……」
「ほんとに手掛かり少ないんだな。でも、きっと俺達のクラスのヤツじゃない事は確かだな。なぁ?」
「そうじゃのう」

先輩達に相談をしてみたけど、やはりわからない。他に何か手かがりになりそうなことを必死に思い出す。……そういえば、この間!

「俺この間先生に捕まって図書室の掃除させられた事があるんスよ。まだ部活やってる時間だったんで、5時くらいっスかね。図書室で本読んでるの見たことが」
「「!?」」
「どうしたんスか? もしかして、誰か心当たりが?」
「……仁王。これ言っていいのか?」
「いや、やめといた方がいいんじゃないのか? 可愛い後輩の片思いじゃ」
「そうだな」

何か心当たりがありそうな先輩達。もしかして3年の人達に人気があるとか? かなり美人で大人びていたからやはり高嶺の花なのか。未だ俺に聞こえないくらいの声で話している。

「先輩達何コソコソ話してるんスか?」「何でもなかよ」
「俺達も誰かわかったら教えてやるから」
「ありがとうございます! じゃ、お先に失礼します!」



「お前達まだ残っていたのか?」
「ちょっと仁王と話し込んでて。」
「……今日も彼女図書室にいるんか? 真田?」

少し顔が赤くなる真田。そう赤也が恋をした相手は真田の恋人だ。図書室のくだりで俺も仁王もピンと来たんだけどな。

「ああ。そうだが。そろそろ迎えに行かんと。仁王も丸井も早く帰るんだぞ」

そう言って真田は彼女を迎えに部室を出て行った。


恋した相手は
(それにしても赤也と真田の好みって一緒なんだな)
(おもしろいのう)




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