日本に行くことになりました

赤井さんが日本へ組織に潜入捜査に行ってから5年が経った。最終的にひょんなことからバレてしまいその日から赤井さんの仕事は追跡調査に変わっていった。私の主な仕事は赤井さんが送って来る潜入捜査の報告書をまとめて上に報告から追跡調査をまとめて上に報告することに変わっていた。

あんまり仕事内容が変わっていないだって? とにかく赤井さんが日本にいても私は赤井さんの部下として毎日毎日パソコンに文字を打ち続ける日々が続いていた。もちろんこっちでも追えるだけ組織の情報は追っていた。まとめてて気づいた事の報告とかも加えて。

そんなある日1通のメールが届いた。とある高校に潜入する必要があると。ジェイムズさんにも同じメールが届いていたようで数日後にジョディさんと私が呼ばれた。

「君たちには帝丹高校という日本の学校に潜入してもらう」

学校のパンフレットと日本で住む場所、潜入の詳細を読む。ジョディさんは英語教師。私は高校生か。……高校生? いやいやまさかね。もう一度そこに書かれている文を読んでみるけど間違いなく高校生と示されている。

「何か質問はあるかね?」

その言葉に私は勢いよく手を挙げた。

「何だね? ういくん」
「この高校生って誤字ですよね?」
「いや、君には生徒として潜入してもらうよ。何か心配ごとでもあるかね?」
「心配ごとって私23ですよ? さすがに生徒に見えないですよ」

私が必死にジェイムズさんに抗議をしているとジョディさんに肩を叩かれた。一緒に不自然だと抗議をしてくれるのかと期待の目を向けたが。

「大丈夫よ。ういはちゃんと高校生に見えるわ。だからそんな心配しなくても大丈夫よ」

私の期待は見事に打ち砕かれた。何がどう大丈夫で心配が無いのか1日かけて説明してもらいたいが出発は2日後だという。また急な。今日から荷造りをして明日には荷物を事務所に届けなければいけないそうだ。

ジェイムズさんが言うには今日の仕事が無ければ帰って荷造りを開始して良いとのこと。ジョディさんは少しやらなければいけないことがあるらしい。私も今日の朝赤井さんから送られてきた報告書の処理をやらなければいけない。帰るのは普通に定時になりそうだから1日で終わるかかなり不安だ。

そんなことを考えながら自分のデスクに戻ると携帯に1通のメール。赤井さんからだ。

今日の朝の書類処理はいいから早く帰って荷造りしろ。ういのあの部屋が1日で片付くと思ってんのか?

この人はどこかで私を見ているんじゃないかと怖くなるほど今の状況にぴったりのメールが送られてきていた。1度だけ私の部屋に寄ったことがある赤井さんは私のリビングを見るなりゴミ屋敷と呟いて煙草吸ってくるとさっさと外に出て行ってしまった。

今思い出しても腹が立つ。実際にゴミが散らばってる訳じゃなくて溢れかえった服がそこかしこにおいてあるだけ。ちょっと、ちょっーとその量が以上なだけである。ジェイムズさんに書類のことは赤井さんから了承をもらっていると伝え事務所の畳んであるダンボールを大量に抱え車を走らせ家に帰った。

黙々と服の仕分けをして終わりが見えてきたと時計に目をやると深夜4時。処分する服が多くダンボール2箱に収まったのは拍手ものだ。これからキッチンの物をまとめねば。


全部まとめ終わり時間を確認すると9時。10時には事務所に荷物を持っていくことになっているので眠たい体にムチを打ち車にダンボールを運び事務所に戻る。

「おはよう! うい! あれ? だいぶ疲れてるわね」
「おはよう。ジョディさん。片付けに手間取ってしまって」

事務の人に荷物を預けて私はこれから昨日の分と今日の分の仕事を全て終わらせねばならない事実と向き合わなければいけなかった。明日飛行機の中でいっぱい寝よ。





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