16.もしも君の一番が、果てしなく手の届かないものだったとき


赤井さんが来て数時間後。深夜3時。胸騒ぎが
収まらなくてずっと起きていた。ふいに携帯がなった。着信はジンからで電話なんてしてくれたのは、初めてのことで赤井さんが伝えてくれたこととジンからの電話。出たくないななんて思いながら電話に出る。

「もしもし、電話くれるなんて初めてだね」
「ああ。そうだな」
「何かあった?」
「うい」
「何?」
「愛してる」

次の瞬間銃声が聞こえた。

「ジ……ジン?」

電話は繋がったままだけど応答がない。うたれたの? 誰に? 降谷さん? 赤井さん? 死……ん……だ?

「ジン? ジン?」

繋がったままの携帯にどれだけ叫び続けたかはわからない。気づかない間に降谷零がいた。

「組織の男に監禁されていましたね? あなたを公安で保護します」

保護から監禁と変わっていたそれは私が組織に囚われていた身として扱ってくれる降谷さんの優しさなのだろうか。ああ、こうなるなら捕まればよかったのかな。ジンと一緒にいれば良かった。襲ってきたのが後悔の念で、自分で驚きだ。

降谷さんが運転する車に乗せられ、助手席に座った私を確認すると僕が連れて行くと人払いをしてくれた。車が住み慣れたところから離れていくのをぼんやりと眺めていた。

「降谷さん。ジンを撃ったのは降谷さん? 赤井さん?」
「自決だ」
「自決」

エフビーアイがジンをついに突き詰めジンの車を囲ったそうだ。そこで私に電話をかけたと思ったら拳銃で頭を撃ち亡くなったそうだ。

「ジンが誰かに撃たれるなんてあり得ないですもんね」
「……」

泣いたらダメだ。最後に。最後に声が聞けただけで充分。それでも涙は溢れてきてたまらなくて。

「一応警察に行くけどずっと怖くて泣いていたって言うんだ」

私が愛していた人は私に生きていて欲しいと言った。私のこの想いはもう誰にも知られてはいけないけど、私のこの数年かとても楽しいものだった。

こんな決まってた結末は望んでいなかったけど。



+++
あとがき
if endでダラダラしようかと思いましたけど最後まで書ききることにしたものですね。
途中取り合いとかの恋愛要素皆無でしたけど、原作が原作なんで
早足感満載だと思うのですがいかがでしたでしょうか
私勝手にジンは原作でも自決するんじゃないかなと思っています
降谷さんとの恋愛要素的なのが少ないのでいつか番外編を! と思っております。

それでは、お読みいただきありがとうございました!





戻る
×


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -