熱は止まらない
「……んっ。ん、ん。あっ」
さっきからずっとキスの嵐。若どうしたんだろう。いい加減息が続かなくなって若の肩を押すけど、全然離れてくれない。
「ん、」
本当に苦しくなってきて、胸を叩いたらあっさりと離れてくれた。とりあえず酸素が欲しくて、息を整えていると、いきなりギュッと抱きしめられた。
「可愛い」
そう耳元で低く囁かれる。チュと音が聞こえたと思ったら次は左耳を舐められる。
「ちょっ、若。ストップ!」
焦って止めの言葉を口にするも聞いてくれなくて、右耳は抑えられている反対の手でふにふにといじってくる。
「ん、ん。やっ、」
耐えきれなくなって、また肩を押すとまたきつく抱きしめられた。声はいつもより低く怖いけどどこか不安そうな声で若がやっと話しをしてくれた。
「跡部さんと何話してたんですか?」
「……跡部……?」
「昼休み一緒にご飯食べていたじゃないですか。それに忍足さんもいたじゃないですか」
「アレは、久々に一緒にお昼食べようって誘われたから」
「あなたは誘われたらホイホイ着いていくんですね」
「そんなんじゃないよ」
そうか。若、跡部達に嫉妬してたんだ。確かに一言くらい言っておいてもよかったかもしれない。けど、別に若とお昼一緒に食べてる訳じゃないしな。
「じゃあ、明日! お弁当作って来てあげるから一緒にお昼食べよ」
「……今からあなたをいただきますので、それから考えてあげますよ」
熱は止まらない
(……すみませんでした)
(いや、終わったあとに謝られましても)
(明日お弁当お願いします)
(え? いるの?)
(いらないとは言ってません)