迷惑カップル

「日吉ってさー。何であんなにツンツンしてるのかな?」
「何やノロケか?」
「いや違うけど」

今日、部活は休み。学校帰りにDVDでも借りてゆっくりしようかと思って廊下を歩いとったらういに捕まった。何やら日吉と帰る予定だったが、日吉が入っている委員会が急に会議になったとかで。そういえばお昼間にそんな放送かかってたな。1人で待っているのはヒマだからそれまでに話し相手になって欲しいと言われういのクラスに引っ張られた。仕方が無いのでういが座った近くの席に座る。そしたらいきなりノロケ話や。

「どうしたらデレるかね」
「そんなん日吉に直接聞きぃや。俺にわかるわけないやろ」
「どうやったらデレると思う?」
「俺の話し通じとるか? まぁ、ええわ。せやなー。今日の帰りにデートして帰りたいって言うとか」
「私がそんな事できると思う?」

でも、それ言っても日吉はデレないでしょうが! と頭を叩かれる。容赦ないなぁ。しかし日吉がういと付き合ってるのは意外な話しや。このおてんば娘が日吉と。どれくらい意外かというとテニス部3年が騒然としたくらいや。その中で可愛いじゃないですかと言い放った日吉はお前ほんまにツンデレかと心の中で思ったものだ。でも日吉、テニス部でういの話しをしている時は結構デレとるけどな。アレや。肝心の彼女の前では照れ隠しでツンツンしとるだけやな。

「何ニヤけてんの。気持ち悪」
「気持ち悪い言うなや。傷つくや……ん」
「どうしたの?」

ふと目線を外したその先に黒いオーラを放っている日吉。俺の彼女と親しそうにするなと顔が言っとる。俺、先輩なのになんでこんな恐怖味合わないといかんのや。

「うい先輩行きますよ」
「あっ! 日吉! 忍足ありがとね!」
「帰りますよ」

ういにはわからん様に上手くオーラ隠しよったで! 嬉しそうに日吉の元に行くうい。えっ? 悩む必要ないやん。日吉の方に目線を戻すと先輩ちょっと先行っててくださいと言い、ういが行ったのを確認するとこっちに近づいてきた日吉。

「忍足さん。あんまり先輩に近づかないでくださいね」

静かにそう言ってういを追いかけて行った。日吉ってあんな奴やっけ。それに俺が近づいた訳ちゃうんやけどな。


迷惑カップル
(忍足さんと何話してたんですか?)
(……大したこと話してないよ)
(まぁ、興味ないですけど)





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