とりあえず

「跡部が好きな子ってどんな子」
「勝気な子やで」
「勝気かー。こんな無気力阿呆が夢見る相手では無いという事ですね」

はぁーと溜息をつく。こんな休みの昼下がりに忍足を家に呼んで、恋愛相談。馬鹿らしい。

「無気力阿呆って自覚してるんかい」
「恋愛とか無理だよ。でも、好きなんだよ。わかります? この気持ち」
「悪いけどわからんわ」

わかるわけがないだろう。あのテニス部にいて、自分は彼女もいて立派な今どきリア充なのだから。

「彼女とは仲ようやってますか?」
「何で関西弁やねん。うん、まぁ上手くいってるんちゃう?」

音声だけ聞いてると冷静に聞こえるけど、顔がニヤついていたから頭を一発殴っておいた。忍足は何て告白したの? 俺からやなくて、向こうからやったで。はぁ、そうですか。

「もし、告白するとしたら何て言えばいいの?」
「は? それは普通に好きですとか」
「今、は? とか言ったな。コノヤロウ。好きです? え? 私と一緒になってくださいとかじゃなくて?」
「それはプロポーズやろ」


とりあえず
(その前に挨拶するところから始めんと)
(無理ですね)





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