三つ数えて振り向いて
そこに貴方が居なければ、諦める。そう、それでいいの。
「うい、何してんだ?」
「んー? 丸井には関係ないでしょ」
「相変わらずそっけないのな。まぁ、いいや。また明日な」
「また、明日……。……待って!」
丸井と同じ部活の彼。何で、今日に限ってテニスラケットの鞄を持っていないのか。そんなこと、気になるじゃないか。部室に置きっぱなし? それとも今日部活がないとか? そんなことって。
「丸井。今日部活ある……よね?」
「今日は休みだぜい」
……そしたらいくら待ってたって彼は来ないじゃないか。諦めると決めたのに決心が揺らぐのは、諦めが悪いからなのか。うだうだ考えったって仕方ないんだ。彼は来ない。
「帰ろ」
小さく呟いた声の後ろに彼がいることに気が付かなかったなんて。ほんと、笑える話。
title:
DOGOD69