付き合い始めの2人

「そんなにうい泣かしてると跡部に取られてまうで?」
「……何の事ですか?」

俺の彼女のうい。泣かしてると言っても関係は悪くない。ただ少しケンカが多いだけで。

「俺とうい同じクラスやろ? 今日いつもより目が腫れてるからまたケンカしたん? って聞いたん」

そしたらまたケンカしたって。でもそれ以上に日吉イジめてるんやろ? あないに泣かせたら可哀想やん。

「ついつい言ってしまうんですよ……。それより、何でそこで跡部さんが出てくるんですか?」
「何や、気づいとらん? 跡部、ういの事好きなんやで? このままだったら恋の方でも下剋上できひんかもな」

忍足さんの話を聞きながら、コートに出るとちょうど跡部さんとういが話しをしていた。俺としゃべってる時と違って笑っているうい。そんなに俺はういを泣かしているのだろうか。

「なんやうい嬉しそうやな……」

そう言い残して忍足さんは向日さんと練習を始めた。


帰り道にういと一緒に帰ることにした。そして、少し時間があったから俺の部屋にういを呼んだ。

「若の家久々だね」
「そうだな」

なあ、うい、跡部さんの事どう思ってる? どうってすごい人だなぁって思うけど。

「どうしたの? 急に?」
「いや、跡部さんと話してる時楽しそうにしてたから。俺より跡部さんと居た方がほんとは楽しいんじゃないのか?」

何でわざわざそんな事を言ってしまうのか。自分でもよくわからない。イラついているのは確かだ。ういを横目で見やると、また泣きそうな顔をしている。ヤバイ……!

「あの……な……」
「私はちゃんと若の事が好きだよ? 何でそんな事聞くの?」

あぁ、結局こうなってしまう。どうも俺は相当な口下手らしい。どうしていいかわからずういを抱きしめた。えっちょっと、びっくりするじゃん!

「ごめん……な」


付き合い始めの2人
(誰がういの事好きだって?)
(やってあのまんまやとうい可哀想やんか)


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先輩の隠れた優しさ。忍足はこういう事上手そうな気がする




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