保健室でお話

「たっかすぎせんせー。だるいでーす」
「とりあえずそこに座って体温はかって」
「はーい」

言われたとおりにソファーに座ってテーブルにおいてある電子体温計をケースから出し、電源を入れる。ボタンやネクタイは元から緩めているので体温計の画面を確かめてからそのまま脇に挟む。高杉先生は左足の膝を擦りむいてしまった体操着姿の女子生徒の手当をしている。丁寧にバンドエイドも貼ってあげて。あの顔で性格は優しいから女子生徒に人気出ちゃうんだよ。土方先生といい坂田先生といいこの学校の先生達顔面偏差値高いからなー。まぁ、土方先生は先輩が付き合ってるんだけど。

「先生。ありがとう」
「ああ。気をつけろよ」

手当てしてもらった人は少し顔を赤らめて授業に戻っていった。それと同じくらいに体温計の電子音が響く。体温計を見せる前に電源を切る私の行動にため息をつかれてしまう。

「熱なんかねーだろうが。朝あんなに元気だったろ」

2人になった途端口調戻ってますよ。高杉先生。体温計の先をアルコール消毒してケースにしまう。

「ないけど寝かせて。もう眠くて無理」
「遅くまで起きてるからだろ。結局何時に寝たんだよ」
「3時?」

もっと早く寝ろよ。じゃあ、早く寝ろって言ってよ! なんで家でまでそんな教師みたいなことしなきゃなんねーんだよ。

「……1時間だけだぞ。その手前使っていいから」
「わーい」

後ろからため息が聞こえる様な気がしたけどすぐ様カーテンを閉めて寝る体制に入った。


「寝れたか?」

目を開けるとチャイムの音と先生の声。

「少しスッキリした。もうお昼ご飯か」
「午後はしっかり受けろよ」
「はーい」


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保健室でのお話でした




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