委員会決め

今日は委員会決め。学年が上がると決め事が多くてとにかく面倒だ。委員長、副委員長は投票形式で既に決まり2人が司会を始める。委員長、副委員長なんてもう固定見たいなとこあるよね。2人はやはり慣れているのか副委員長が書記を行い委員長が司会と段取りがいい。

やはり人気があるのが坂田先生担当の図書委員と高杉先生担当の保健委員と土方先生担当の風紀委員だ。それぞれクラスから2人ずつ。別に男女1人ずつではなくても構わないので女子が人気の委員に候補が固まる、固まる。私は特に希望する委員は無いので毎年委員会には入っていなかったのだが……。私の名前があろう事か保健委員の立候補欄に友達の名前と共に並んでいる。

「私頑張ってじゃんけん勝つね!」

2年の3学期も終わりの頃、りっちゃんが熱を出してしまい高杉先生に、親が迎えにくるまで看病してもらって元気になって、学校に来て言い放った言葉。

「高杉先生かっこいいよねー。決めた。私来年保健委員やる! ういも保健室常連者だったんでしょ! 本当は高杉先生のこと好きなんじゃないのー? 一緒にやろうよ!ってか決定ね!」

好きだから付き合ってるなんて言えるはずもなく私は曖昧にまぁ、かっこいいとは思うけどと返した。別に立候補くらいいいか、どうせじゃんけんだしと思ってた。

委員長がでは、保健委員希望の人は全員立ってくださいと言うと8人立ち上がる。すると、窓際で座りながら委員決めの様子を見ていた沖田先生が余計な事を言い始めた。

「女子は友達同士で同じ委員になりたいと思うしこの人数でじゃんけんしても長くなるだけでさぁ」

何言ってんの!? この人!? 私はびっくりして沖田先生を見てしまった。沖田先生は私と視線も合わせずシラーっとしている。いや、反応は合ってるんだけど! 合ってるんだけど! どうせ私が保健委員になったらおもしろいなーなんて考えていそうだ。委員長も確かにそうですね。じゃない! でも、確かにその方が効率が良いのが悔しい。女子からしてもその方がありがたいのでみんな同意している。沖田先生優しいー! なんて株まで上げて。流石ですね。

結局ペアの片割れがじゃんけんをする事になり保健委員になれる確率は半分上がった訳だ。それにしてもペアなんて言ってるけどどっちも高杉先生が好きなんだから女の人って怖いなーって。私が1番いろいろアレか。りっちゃんの目線が私に任せてと言ってるので私は椅子に座る。ごめん、りっちゃん。負けてくれ。

因みに保健委員の仕事はお昼休みに保健室に顔を出して手伝いをする当番がある。上手くいけばペアの子はいるが高杉先生と近くで話せるチャンスって訳だ。それと仕事一生懸命しますアピールができる。そうだよなー。そんな特権があるならなりたいよね。

そんな事を考えているとりっちゃんは見事あと2人にまで残っていた。いつの間に決勝戦に入っていたんだ。相手の子も絶対勝つと必死だ。ペアの子は手を組み祈ってる。私もそれとなくがんばれーと一応思っておく。いや、勝たないで。

最初はグー! じゃんけん……ぽい!


「保健委員会を始めます」

結果はりっちゃんがグー。相手はチョキ。私の前には司会をする高杉先生がいる。会議室入った時視線がバッチリと合いましたよ。何でここにいるんだって顔してましたよ。私が聞きたい。それにしても会議室女子しかいない。モテるなー。流石に妬ける。

「最初は委員長と副委員長を決めたいと思います。委員長に立候補したい人」

そんなの全員でしょとりっちゃんを見ると手を上げない。というか私達は1番前の左端に座っているのだが後ろからも手を上げる気配はない。何で? 高杉先生も慣れたようにじゃあ、副委員長候補。と言うと3年のりっちゃん含め6人くらいが手を上げた。2年・1年が挙げないのは3年に譲るって意味なのかな? そして副委員長はじゃんけんで決まり3組の子がやる事となった。りっちゃんは残念そう。

「何で、副委員長? 委員長やればいいじゃん?」
「委員長は毎日全校集計とかしなくちゃいけないから仕事半端ないんだって。高杉先生としゃべれる機会は多いけど帰るの遅くなるのはちょっとね」

副委員長だったら委員長休んだ時に借り出されるくらいだから。それにたまに一緒にいれるっていうのがいいんじゃん!

つまり高杉先生とはしゃべりたいけど平委員の仕事でちょっとおしゃべり出来れば満足ってことか。恋愛と言うより憧れの先生の元で楽に働いておしゃべり出来て最高という訳だ。こんなの社会では通じないけど学校の委員会だから通じること。

「副委員長は決まったから次委員長。誰かいないか?」

別に遅くなるのも構わない。部活も多く入ってくる後輩に席を譲らなければいけないからほとんど活動もないし暇にはなる。やってもいいかな。……でもな。手挙げずらい。でも決まらないし。

「誰かいないかー?」

私は思い切って手を上げた。りっちゃんは隣でびっくりしてる。高杉先生は他はいないか? なら、……3年1組の美鈴で決定だな。と私の名前を名簿を確認しながらそう言った。高杉先生賢い。すぐに名前言ったらおかしいもんね。

後はクラスの委員は当番表作るから昼休み顔を出すようにと説明を受け委員長と副委員長は残るように言われた。みんな会議室を出ていき私と副委員長と高杉先生3人になった。

「1年間よろしく。委員長は仕事多いから覚悟しておけ。副委員長は委員長休んだ時のカバーよろしくな」

副委員長の子は嬉しそうにはいと言っている。私はいつもの調子で了解ですと答える。副委員長にもう用事は無いのかもう帰っていいと指示が出て帰って行った。ちょっと睨まれた。なら委員長やりなよ。勝手だなぁ。2人きりになった会議室。ここの会議室他の部屋と離れてるから静かだな。

「早速仕事してもらう。これまとめて」

保健室に行く時に書かされる体調とか来た時間とか書かないといけない紙を20枚くらい渡される。学年、クラス事に分けて何時に来るのが多いとか集計をしなければいけないらしい。これを毎日。確かに面倒だ。

「こういうの昼休みの当番の人に帰り残っていってやってもらえばいいじゃないですか」
「委員長に仕事が多いのは仕事出来そうなヤツが自動的に手を上げるためだ。誰もやらないならやっておこうってヤツは意外としっかり仕事してくれるからな」

高杉先生はちゃんと自分としゃべりたい子と私みたいに付き合わされる子が毎年1人か2人いる事を知ってるんだ。

「美鈴だったら安心して任せられるわ。よろしくな。それ保健室でやっていいから」

その後小さい声で遅くなったら一緒に帰れるななんて私が1番ズルイ子なのかもしれない。




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