ばったり

今日はういの弁当も無いしなんとなくパンを買う気分でもない。それに今日は授業自体昼までで久々にゆっくり飯も食えるだろう。食堂行くか……。

「高杉先生、パン買いに行くんですか?」
「いや、今日は食堂に」
「いいですねぃ。俺も行こうかな」

沖田先生と一緒に食堂へと向かい食券を買う。前来た時と随分メニューが変わってるな。

「結構混んでますねい」
「だな」

沖田先生の言葉に反応したのは後ろからだった。

「土方先生も来てたんですね」
「ああ。やっぱ今日は食堂でちゃんと飯食おうと思ってな。坂田先生もいるんだが」

案外利用者多いんだな。どうせこの4人がいるなら4人で固まってしまった方がいいような気がするが4人で座れそうなところがないな。2人2人同士ならなんとか座れそうだが女子達がざわめき出してるからバラバラに座るとめんどそうだ。なぜか4人でいるところは近寄り難いそうだ。ういが言ってた。

「あそこなら静かに食べれそうですよ」

チラホラ生徒はいるが右端の奥らへんが空いてるのを沖田先生が見つけた。

「じゃあ、あそこでいいんじゃね?」
「そうだな」

そこの近くに行くと固まってる女子4人組。ういとかなは部活があるけどまゆとゆきは帰宅部だよな?

「上杉と三上残ってたのか?」
「わたし達のクラス結構残ってますよ」
「俺のクラスは優秀でいいねー」

そうか。3年は残って勉強していっていいんだ。養護の俺は勉強方面の割り振りがどうなっているのかあまり知らない。

「みんなで食堂なんて珍しいですね。すごい注目浴びてますよ」
「さすがですねー」

彼女達の目がなぜここに座ると訴えている。しかしここしか座るところがなさそうなのでここに決めてそれぞれが座り出す。特にその場の会話はなく黙々とご飯を食べていた。

「あれー?先生たち4人で食堂めずらしー!」

めんどくさい生徒に見つかってしまった。当たり前のように横に2人が座る。4人でいると声かけずらいって言ったのは誰だ。確かこの2人は土方先生と沖田先生のファンだったはず。

「そう言えばさー先生たちって彼女いるの?」
「いない方がおかしいでしょー」

あーうるせ。でも教師という立場上生徒と無下に接することは許されないわけで。

「そう言う事には答えられないな」

えー土方先生つまんない。こっちの彼女4人組を見ていると何やらニヤニヤと会話してる。俺達が学校では全く違う口ぶりでそれなりにかっこいいとされていることがとにかく面白いらしい。男というのは悲しいものでなんとなくそのイメージを守ろうとしてしまうもの。早く食べて出ないといじられまくるぞ。俺達。

「大学のときはどうだったんですかー?」
「皆さん同じとこの出身ですよねー」
「全員モテましたぜい。それなり」

沖田先生が女子組に回った時点でアウト。さっさとご飯を食べてしまうが吉。


ばったり




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