1.初めまして、三番隊長さん

「んー? 誰?」
「君こそ誰や?」

ここは私しか知らないはずのお昼寝スポット。また誰かに知られてしまった。どこか違うところを探さないと。それにしてもなぜこの人は私のことが見えているのだろうか。

「私はういだよ」
「ボクは市丸ギンや」

市丸……ギン。どこかで聞いたことのある名前。そう一週間前くらい。そうだ、山じぃから聞いたんだ。新しく隊長になる死神がいるって。よく見ると確かに隊長羽織を羽織っている。起きぬけで少し重たい体を起こして市丸さんの後ろに回り、隊の番号を読み上げる。

「三番隊長さん」
「せやで。君は何者?」

不思議そうに聞いて来る三番隊長さん。それもそうだろう。今はどこの隊も忙しなく仕事をしている時間。死覇装どころか赤い甚平を着て、こんなところでお昼寝をしているのだから。それを言うと、三番隊長さんもなぜここにいるのかという疑問も出てくるんだけど、まぁ、サボりかなんかだろう。

「私は隊長格間の伝達をするのが仕事なの。だから、私の姿は隊長さんにしか見えないの」
「それはどういう原理なん? それにボクそんな話し隊長になる時聞いてへんで?」

それは私が挨拶に、行き忘れただけです。すみませんでした。原理は簡単に言うと霊圧が隊長クラスの人にしか見えない存在ってことですかね。現世の人間でも霊圧が強い人は虚が見えるでしょ? そんな感じです。

「なんや。もう少し詳しゅう聞きたいけど、なんとなくわかったわ。よろしくな。ういちゃんやっけ?」
「はい。よろしくです。三番隊長さん」





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