「ぜーはー…8時42分…」
「間に合ったと思ったんスけどねぇ…」
「クッソ!山田(担任)のヤローなんで今日に限ってはえーんだよ!」
「ちょ、青峰っち!声おっきいっスよ!」
「涼太もね!この馬鹿ども!」
「いてえ!」
「痛いっス!」
「殴るなんてひどいっスよ、なまえっち!」
「つかテメェの声が一番デケェよ!」
「シーッ!静かに!!山田にバレるっつの!」
「「あっ」」
☆★☆
「…ったくしょーがねぇ、普通に入るか」
「え、でも赤司っちはどうするんスか?」
「…よし黄瀬、遅刻しても許されそうなもっともらしい理由言え」
「むちゃぶり!」
「ふっふっふ…ちょっと二人とも、あたしに任せてくれない?」
「却下」
「黙れアホ峰」
「あんだと!?」
「あーほら喧嘩しないっスよ!なまえっち、何かいい案でもあるんスか?」
「うん。っていうか元はと言えば転んだあたしの所為だし」
「…信じていいんだろうな?」
「もち!」
「任せたっスよ、なまえっち!」
さっきまで開け躊躇っていた教室のドアを力強く開くと、がらりと大きな音とともにクラスメイト全員の視線があたしたちに刺さった。…注目上等!
「先生!登校中に蝉取りをはじめた青峰くんを黄瀬くんと止めていたら遅刻しました!」
「ブッ飛ばすなまえテメェ!」
8時42分 っていうか会話丸聞こえだから