雨:side S [10.02.24.]
いつの間にか降り出した雨の中
お前は変わらず立ち続けている
その真っ直ぐな後ろ姿
傷一つない背中のために
その内には
どれだけの痛みを抱えてきたのだろう
こんな雨は
古傷を苛む
傷を癒やす気はあるのだろうか
傷が癒やされる日はくるのだろうか
お前の傷を癒せるのは
俺でありたい
でも、それ以上に
そのまっさらな背中に
死んでも消えない傷をつけたい
俺は一体どうありたいのだろうか
誰に尋ねる訳もなく
ただ混沌と
迷い問い続ける
雨の中のお前の背中は
あまりにも遠い
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