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春:side S [10.05.21.]


流石のオレも
とうとう頭が沸いたかと
自分のことながら呆れたぜ

恋はハリケーンなんて
上手いこと言ったなぁ
まさにハリケーン
いやブリザードか
だってそうだろ
灼熱の恋の嵐ってえより
凍え死にそうな寒さだろうが

この俺が
世界の半分は愛しのレディだってのに
柔らかく心地いい肌よりも
硬質な鋼のような筋肉に触りてえなんて
愛らしい滑らかな頬よりも
無駄を削ぎ落とした頬に
自分の頬を擦り寄せてえなんて
甘い香りのする体を優しく抱き締めるより
汗臭え厚い胸に力強く抱きしめられてえなんて
その生き様と享示を体現する傷と背中を
指でなぞり
舌で辿りたいなんて
このとち狂った想いなんざ
永久凍土に葬り去りてえ

恋をすれば
世はピンク色
まさに春真っ盛りと思っていたのに
絶対零度に突き落とされた

ずっと寒さに凍えていられりゃ
そのうち凍死もできるのに
ふとした笑みに
一瞬にして恋の季節に攫われちまう
それが一番救いがねえよ

end.

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