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愛:side S [10.03.06.]


目は口ほどにものを言うとは
上手いこといったもんだ
普段無口なコイツの視線は
実に雄弁だ

百聞は一見に如かずもまた真理で
抱かれて初めて
その想いの真実を理解した

無口なのは
言葉の重みを知っているからで
真実を伝える言葉しか持たないからで

言わないでいる言葉を
たくさん心内に抱え、
今にも溢れそうなそれらを
実に涼しい表情で
一生懸命押さえ込み
伝えない言葉に意味はないと
必要ないなら切り捨てていこうと
少しばかり葛藤しながら

そんなことまで伝わっているとは
流石に気づいちゃいないだろう?
そんなことまで感じ取れてしまうほど
無口なお前の声なき言葉は
その視線から
その掌から
その唇から
実に真っ直ぐに流れてくる

それほど愛しているとか
それほど愛されているとか
ムズ痒くて仕方ねえ

これでいいと思っていたのに
これがいいと思っていたのに
これ以上ないと思っていたのに

初めて声を伴って
伝えられたその言葉は



ゾロ

俺の声なき言葉は
伝わってるか?



end.
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