The wizard(39) ※R15 [10.04.08.〜]
「あ……」
「はあ……」
お互い大きく息をしながら、しばらく合わさった胸から伝わる激しい鼓動を感じていた。
「全力疾走したみてえ」
「ある意味そうだろ」
「そりゃそうだ。……重てえなあ、筋肉は」
「ああ、悪い」
どけというつもりで言った訳ではなかった。離れたくないとはさすがに言えねえと思ったが。
「うわっ!」
ゾロはサンジを抱きしめたままゴロンと反転した。突然で驚いた為に、当然体に力が入った。
その結果、今だ入れられたままのゾロを締め付けた。
「お」
「うわあ、バカ毬藻! さっさと抜けっ!!」
「何でだ」
「何でもだ!!」
「また入れる時の痛い思いをしなくていいじゃねえか」
「あれだけされりゃあ、もう痛かねえよ!! それに、痛くても初めてで抜かずのかまされるよりいいっての!! って、違え!! とにかく抜けっ!!」
「仕方ねえな」
口を曲げて如何にも不服そうな顔で、サンジの中から殊更ゆっくりとと引き抜いていく。
「ふっ……」
「こら、締めたら抜けねえ」
「テメエが……っ、くそっ!」
サンジは伸び上がって抜こうとしたが。
「勝手なことするなって」
「ひあっ!」
腰を掴まれ、引き戻される。
ゾロがまた芯を持ち始めたのを体内で感じた。
「何しやがる!」
「抜きたくねえから」
「アホか」
「1回で終わりか? 枯れてんな」
「んなわけねえだろ!」
「じゃあ問題ねえな」
そう言って、抑えたままの腰を揺すった。
「ひっ! やめっ」
「1回じゃ終わりじゃねえんだろ?」
「そっちじゃねえ!」
「どっちでもいいが、本当に駄目か?」
動きを止め、サンジの手を取り、その指先に唇を落とす。
その情欲を含まない真摯な様子にちょっとばかり戸惑ってしまう。
「い……嫌なわけじゃねえけど、何かちょっと……」
「何だ?」
目を閉じて手の甲に口付けながら聞き返してくるのを見つめていたから、つい言ってしまった。
「初めてでこんなって、それもこんな状況でって、さすがに、その、どうよって思っちまうんだよ」
恥ずかしくて、俯いてしまった。らしくねえなと思う。
「俺が嫌なわけじゃねえな?」
「当たり前だ!! どんだけ我慢してたと……!!」
はっとして、ゾロの顔を見ると、物凄く悪そうな笑みを浮かべていた。欲望を湛えた瞳でサンジを見つめ返したまま、ねっとりと指に下を這わせる姿に、ぞくっとする。
「てめえっ、卑怯だぞっ!!」
「作戦勝ちと言え。まあ、諦めろ。我慢なんかすんな」
「そうじゃねえっ!! ……ああ!」
さっきの刺激で少し兆していたサンジのモノを握り、ゆっくり揉みしだいた。
「ふ、あ……、くそっ」
目元を真っ赤に染めたサンジは、挑む様にゾロに口付け、負けじと舌を絡め始めた。
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