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アイドルタイム(5) [11.12.22.]


* * * * *



 エアコンのタイマーのお陰で、サンジの部屋は暖かくなっていた。
 プレゼントは、この部屋の合い鍵が付けられた皮のキーホルダーだった。
 そして、普段サンジがほとんど作らない類のデザート。綺麗な淡いグリーンの、ピスタチオの小さなムースを、ブランデーを落とした紅茶と一緒に食べた。
 そして、誕生日が終わる頃、ふと思い出して紙袋を手に取った。
 「絶対似合う」だの「使用後にレポート提出」だの言っていたが、一体何だろう?
 頭の中は疑問詞だらけだったが、警戒心はなかった。

「………………」

 風呂から上がって来たサンジは、紙袋の中を覗いたままフリーズしているゾロを見つけた。
 確かあれはエースからの誕生日プレゼントだ。どうせまたゾロをからかうネタなんだろうとは思っていたが、それにしても。

「どうした?」
「これ……」
「エースからだろ? ろくでもないもんなんだろ、どうせ」
「いや、ろくでもなくはねえが、どうしたもんかと」
「は?」
「『絶対似合う』から『使用後にレポート提出』だと」
「はあ?」
「いいか?」
「何が」
「これ」

 指を指された先を覗き込む。

「………………」
「出してみるか?」
「あ……あんのクソ野郎ーーーーーー!!!!!! 何考えてやがる!! お前もろくでもなくもねえって何だ、いいかって何だ、いいわけあるか!!」
「でもまあ、確かに似合いそうだよな」
「似合ってたまるかっ!!」

 覗き込んでいた体勢を、後ろからガシッと抱き寄せた。

「レポートは出さねえから安心しろ」
「当たり前だっ! っつーか、使うな!!」
「嫌がることはしねーよ」
「どこのエロオヤジだよ! 嫌がってんだろが、離しやがれ!!」
「大丈夫、大丈夫」
「何がだっ!! コラーーーーーー!!」

 抵抗もどこ吹く風で、そのまま寝室に引きずられて行った。


* * * * *



 翌日、エースの元には感謝のメールと呪詛のメールが届いた。



end.

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