CAFE (2) [10.01.20]
「高校生!?」
思わず叫んだ。
「ええ」
「じゃあ、これは……」
「独学なの。基本のレシピはあったけれど。どちらにしても、あなたのところで働くのは無理ね。学校もあるし、大会が近くなると、今でさえ作れる量も少なくなるし」
「大会?」
「剣道の腕はケーキ作りより上ね」
もう何だかショックすら飛び越えてしまった気がする。
高校生、独学、剣道、ケーキ……。
「諦めてたまるか!!」
コロコロ変わる表情を面白そうに見ていた女主人は、店の裏手に自宅である2階にあがる玄関があると、面白そうに教えてた。
お姉様のせっかくのご厚意を無駄にできるか!絶対手に入れてやる!!
「随分と騒がしいねぇ。ゾロ坊が、珍しい」
「運命の出会いで、今口説かれ中なの」
「ほう! ゾロ坊にも春が来たか。中身もいいが、顔もなかなかだからな」
「一目ではなくて、一口惚れね。コックさんなの」
「それは一筋縄ではいかないなあ」
常連の酒の肴ならぬ紅茶の友にされているとは知らず、延々と攻防は続いた。
果たして決着は如何に?
end?
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