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unofficial site 砂の船 - Z×S -

硝子―ガラス―


 とある夜に。

S:おい、それ、どうした?
Z:あ?
S:手
Z:ああ、これか。切った
S:切った?お前が?
Z:おう
S:………………何で切った?
Z:チョッパーが道具を割っちまって、その片付けを手伝っててるところにルフィが突っ込んできて、切ったS:それだけにしちゃ、大袈裟じゃねえか
Z:何か薬品が付いた破片だったらしくてな
S:は?
Z:一応明日までのトレーニングは禁止だと
S:大丈夫なのか?
Z:ああ。大したことねえ。……どうした?
S:変なもんだな
Z:ん?
S:マゾ毬藻だからな、アホみてえに傷だらけなんて見慣れてるってのに
Z:誰がマゾだ
S:戦って死にかけてるのみても、馬鹿は死なねえからなって心配しやしねえってのに
Z:馬鹿って言う。なんだ、心配しねえのか
S:するかよ。自業自得なんだろ?自分が弱えだけだとか言って、反省の欠片もなくて、どうせ何度も死にかけるんだろ?でもって、人外の生命力で死にゃしねえんだ。いちいち心配してられっか
Z:………………
S:戦って死ぬなら本望だろうけどよ。片付け中の怪我で死んだら、化けてでるだろ?無念過ぎて
Z:化けるかよ。それで死んだら、それだけってことだ
S:そういう奴だよな。生死をさ迷う時には心配しないで、些細な日常的な傷は気にするってのも変なもんだ。くだらねえ
Z:……くくっ、偶にはこんな怪我もしてみるもんだな
S:何でだよ
Z:小さな本音が聞けたからな
S:けっ、うるせえよ、バーカ
Z:馬鹿って言うな。ほら、こっち来いよ
S:怪我した手で触るな。酒も駄目だ
Z:何だと!?
S:寝りゃあ治るんだろ。さっさと寝ちまえ。……添い寝だけならしてやるから
Z:ったく、素直じゃねえな
S:あ?
Z:何でもねえ。じゃあ、さっさと片付けて来いよ


 ……心配の度合いは、何も大きさや深さに関係ない。


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