続・いつものこと。(2) [10.02.04.]
よく分からないが、自分以外は誰も気にも留めない状況のまま、1日が終わろうとしていた。
今夜の見張りは、確かグル眉だったな。病人が張り付いて、いつも以上に面倒だっただろうに。夜食代りにコーラでも持っていってやろう。そう思って、見張り台へ登っていった。
「よう、フランキー、どうした?」
「いや、コーラの差し入れでもと思ったんだが……」
見張り台には、蓑虫も一緒だった。
「なあ、それ……」
「ん? 毬藻がどうした?」
「一日中張り付いてんな」
「そうだな」
「何なんだ?」
「さあ。でも、静かだからいいだろ」
「いや、まあ、静かは静かだけどよ……」
「てめえ、明日見張りだろ。今夜しっかり寝とかねえと、辛えぞ」
「あ、ああ、そうだな。おう。じゃあな」
「差し入れ、サンキューな」
「ああ、あれ? 何だか分かんないけど、『どこ行くんだ?』とか、やたらとサンジ君に構うのよ。いちいち言うだけでも煩いのに、わざわざ側に行って絡むもんだから、もううざくてうざくて。ふらふらしてんのにわざわざ寄っていくのよ。でも、一応病人だから、まともに相手にしても埒があかないから、もう好きにさせてるわけ。
最初は違和感あったけど、ああしてると、いるんだかいないんだか分からないくらい静かだし、平穏でいいでしょ?」
数日後、元気になったゾロとサンジは、相変わらず船を壊しながらのケンカをしている。
何なんだ、あいつら?
「深く考えるだけ、無駄な時間だぞ」
フランキーは、ウソップの忠告を聞き入れる方が無難だと、ようやく悟った。
end.
←(1)