クロと私と

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私には2人の幼なじみがいる
1人は私と同い年で小さな頃から大好きな弧爪研磨
そしてもう一人は音駒高校バレー部主将である黒尾鉄朗
元々クロのお母さんと私のお母さんが高校の同級生だったらしく家族ぐるみで仲良くなった
そしてクロが仲良くなったと言って連れてきたのが研磨だった
小さい頃は今じゃ考えられないほど内気だった私と他人が苦手な研磨はなかなか仲良くなれなかった
しかしそこでお節介を焼いたのはクロだった
いつだったかクロがオレは用事があるから今日は2人で遊べと強制的に研磨と2人にされたことがあった
追い出されてしまったクロの家の前で私は泣きそうになったの覚えている
その泣きそうになった私をどうしたらいいのかわからない研磨はオロオロするばかりだった
ちょっと経ってたから私の頭に手を乗せて優しく撫でてくれた研磨を見て不安が消えた
多分それからだと思う。
研磨といると安心してずっと隣にいたいと思ったのは


        ・
        ・
        ・


「ーで?お前は何しにウチ来たわけ?」
『お母さんが大学いも作ったから持ってけって』


クロの部屋でクッションを抱きしめながらベッドの上に座った
クロは机で何かやっているのか視線は向けずに聞いてきた
なんでクロの家に来たのか…確かにお母さんに持っていけといわれたからだけではないもう一つ私にとってはこっちが本題である


『ねぇ、私が研磨のこと好きってバレてる?』
「おーバッチリな、研磨はわかってねーけど」
『やっぱり!!なんで?なんでわかるの?』
「いや、お前の態度見てたら誰でもわかる練習中も仕事ちゃんとしてんのわかってっけど研磨に視線行きすぎ…つーか今日見過ぎてコケたろ…」
『そんな見てる?うそだぁ…てかなんでクロ私が見てるって知ってるの?』
「研磨の方見ると毎回お前が視界に入るんだよ」


クロに言われて周りのみんなが知っていることも視線がいっていることも初めて知った
無意識とは怖いものだ
しかし当の本人には全く気付かれていないと言うのも何とも虚しいものだった

「そんな見てんならさっさと言えばいいじゃねーか」
『…言えるならとっくに言ってる』
「お前、昔と随分性格変わったくせに肝心な所はかわってねーのな」

変わりたいけど変わるのも嫌だった
好きと言いたいのに言ってしまった後のことを考えて立ち止まってしまう
内気な性格は変わっても臆病な所は昔から何も変わらない…
抱きしめているクッションを更にギュッと力を込める
そーしているとクロがため息を尽きながら私の頭をくしゃくしゃと撫でる

「ま、話くらいならいつでもきーてやるから、頑張れよ」
『クロ……………面白がってるだけでしょ』
「それもあるな、」

ニヤリと悪巧みをするように笑いながらもう一度頭に手を置いて先ほどよりもぐしゃぐしゃとやってきた
そして部屋から出て行くのでそれの後を追うように私も部屋を出た



駒のマネージャー!!

は主将に相談中です。




『ねー、クロどうしたら研磨にわかってもらえるかな?』
「そりゃ…アイツにはもう直接言うしかねーだろ」







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