(星屑エゴイズム)
*切なめ


「俺、お前の事好きだぜ」

話がある、と呼び出されてみればそんなぶっきらぼうな告白を貰ったなまえ。
MZDが何を言っているのか一瞬、分からなくなった。

確かに、今まで二人で何度か会った事があった。
中にはMZDの家にお邪魔して、ほっぺたにキスをされた事もあった。
驚いたけれどMZDは神様だし、挨拶のつもりなんだろう。と冗談混じりにお返しにほっぺたにキスを落とした。

「あの時ほっぺたにちゅーされたどう思った?」

本当はドキドキして、恥ずかしくなったけれど。
なまえは見栄をはって「挨拶でしょ?」と返した。
その時のMZDの表情が瞼に焼き付いて、胸が熱くなった。

「まあ別に俺はお前と付き合いたいとか無いんだ、ただ言っときたかった」

すぐに言っちゃうタイプなんだ、と笑うMZDはなまえと目線を合わせようとしなかった。
恋愛経験の無いなまえでも、これが見栄だって分かる。

「じゃあ、またな」


その後、別れてからなまえの頭の中には先程のMZDの切なそうな笑顔でいっぱいだった。
と、同時に"あの"MZDは私が好き。
その優越感にも似た感情で胸がいっぱいだった。

MZDはなまえを好きになった経緯を全て話してくれた。
初めて会った時はショートカットがよく似合うまだ少年のような幼さが残る小さな女の子。
次に会った時は初めて会った時から一年が過ぎていて、伸びた髪に白くなった肌を見て女を感じた、と。
ようはギャップだ。
話をすれば面白くて、ついつい連絡を取ってしまう。
絡みやすい奴、そんななまえにいつの間にか心奪われてしまった、とMZDはゆっくり話してくれた。

その話し方や内容で、愛されてる、を実感するとなまえは恥ずかしいやら嬉しいやら、変な気持ちになってしまった。

人生で初めてされた告白だった。

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