泣き止むと、泣いていた自分が恥ずかしくなったなまえはパッとMZDから離れた。
ここで照れたりしたら負けた気がするので、力無く「ダサいね私」と自嘲気味に笑った。

「そうか?人前で泣けるなんてめちゃめちゃかっけーじゃん」

ポン、と頭を撫でるMZDがかっこよく見えて、なまえはつい目線を逸らしながら「泣いてないし」と言ってしまった。
「そうだったな」とMZDが笑う。

なまえは自分がとても小さな生き物に思えた。
やっぱり神様は違うんだなぁ、と考えてしまう。

「なまえ」

はっと気付くとMZDの顔が目の前にあって、やられっぱなしも悔しいのでなまえは笑いながら。

「これは浮気じゃないですか?」
「お前が決める事だ。」

狡い人、いや、神様

私が決めれる訳無いのに、人間に託すなんて狡い。
狡い神様


「好きでした」
「ありがとう」

(今更好きなんて、ほんと今更だわ)

「好き、でした」
「ありがとう」

この手を離したら終わりって分かっていたの。

「好き…で」
「ありがとう」

(タイミングが合わなかっただけなのよね)

「好っき…」
「ありがとう」

タイミングのせいに、運命のせいにしたくない。

「来世ではお前と結婚したいなぁ」


狡い

(来世なんて言わずに今結婚してよ)



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