(呆れる程鮮やかに)
*ヒロイン誕生日ネタ



「お誕生日おめでとう!」


ざわざわと大きな声が聞こえる中、なまえは出会う人に次々と祝福の言葉を貰った。

今日はなまえの誕生日。
なまえが主役の日なのだ。

MZDが張り切って、大袈裟なパーティーを開催した。
客人が客人を呼び、会場に集まった人は凄い人数になっていた。

MZDが笑いながら「ここまでくると、なまえと面識の無い奴も来てるんじゃないか?」と言ったので、なまえは辺りを見回した。
やっぱり知ってる人の方が多いが、中にはちらほらと知らない人も混じっていた。

「本当、結構居るのね…でも楽しければいいよね、友達になれるかもしれないし」

「なまえは前向きだねぇ」

ニャミがそう言うと、二人で顔を見合わせて噴き出してしまった。
それにつられて、ミミとMZDも一緒になって笑い出す。

三人は司会があるから、と用意されたステージに向かってしまった。
三人を見送るとなまえはグラスを手に取った。

幸せだ。
なまえは確かに楽しかったし、幸せだった。
自分のために沢山人が集まってくれているし、おめでとうとこれまでに無いくらい言われた。
流石MZD主催だ、と言わんばかりの楽しいパーティー。

だけど、ちょっとだけ心残りがあった。

それは彼だ、恋人同士の彼の事が、

「あ、なまえ!お誕生日おめでとうっス!」

アッシュの事がどうにも、心残りだった。

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