2022/04/12 TYPE-MOONエース感想


オベロンの描き下ろし、まず彼が“オベロン”のマントを羽織っていること、服や王冠はオベロン・ヴォーティガーンのものであることから“あの”オベロン・ヴォーティガーンなんだろうなっていうことは一目で理解しました。
しかし彼が抱いているものは……二つ予想が浮かび上がりました。
一つ目はオベロン・ヴォーティガーンが演じた汎人類史の“オベロン”。物語の消費に対して彼も同様の怒りを抱えていることが今回の特典冊子で明かされましたが、同じ思いを抱いているにも関わらず異聞帯というイレギュラーな場では妖精國崩壊の為の部分的なエッセンスでしかありません。ここは今反芻しながらめちゃくちゃ皮肉だな……と思いました。そんな同胞を抱くオベロン・ヴォーティガーン、という可能性もあるように感じます。
二つ目はティターニア。彼が最後まで求め、気付くことが出来なかったもの。以前のインタビューにて羽海野チカ氏がオベロンとティターニアの案を共に出していたことがわかっています。それを踏まえると元々は存在し得なかったものが「夏の夜の夢」の為に話の都合で作り上げられその後は無しとされ、オベロン・ヴォーティガーンというキャラクターの設定のためティターニアが採用されないという、存在すらも奪われてしまった=殺されてしまったティターニアこそが彼が抱く者の正体ではないかと考えてしまいます。地面は血に塗れようともそれだけは美しいままで彼の腕に抱かれている。顔やシルエットも分からない、きっとオベロンにも分かるはずがない彼女ではないか、と。

前者に関しては初見時の感想だったのですが絵をじっくり見ると女性らしい手足だな、と感じたので後者が近いのではないかと考えました。そして顔が見えないその者の正体は見た者に委ねられるという絵だとは思うのですが、それが藤丸やキャストリア、ブランカ(擬人化など)といった既存のキャラクターではないのだろうな、と感じましたがこれは本当にただの個人の感想です。

今回の描き下ろしからも彼が本当に物語と消費されゆくもの達を慈しみ、怒りを抱いているのだなと改めて実感しました。とても素敵な絵でした。
オベロン好きに限らず6章について更に知りたい方は絶対に買って損は無いと思います。藤丸立香はわからないがめちゃくちゃ可愛かったです。

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