7

「どうしましょうか……」
放課後。
凪は薬屋にいた。
ちなみに言っておけば客として、ではなく売る側として、だ。
凪は店の奥で、イスに腰掛けながら深々と溜息を付いた。
膝の上では白ネコがごろごろと喉を鳴らしている。

――こつん。

不意に甲高い音が聞こえて凪が顔を上げる。
机の上には湯気がたつマグカップが置かれていた。
中味は紅茶だろうか。
甘い香りがふんわりと鼻をくすぐる。
そして、その後ろにこの薬屋の唯一の店員である、林 晃が立っていた。
すっと手で示して凪に紅茶を勧める。
凪は軽く礼を言ってカップを受け取ると、ふう、と息を吐いた。

「何かあったのか?」

晃が椅子を出して、そこに座りながら訊いた。
凪はもう一度溜息を吐いて、昼間の事を話し始めた。





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