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がやがやと人の話し声が聞こえる昇降口。
何人かの生徒が昇降口で今日の授業や放課後の事などを話しながら通り過ぎていく。
その中で凪は一人、自分の靴箱とにらみ合っていた。
正確には、『靴箱と』ではなく、『靴箱の中に入った何通かの手紙と』だが。
凪はその中の一通を手に取り、まじまじと見る。
白を基調とした、非常に可愛らしい封筒。
その表側に書いてある宛先は『浅葱 凪様』となっている。
その便箋をくるりとひっくり返して、差出人を確認する。
が、凪が全く知らない女子のものであろう名前が書かれている。

「…………」

残りの物も確認するが、全く知った名前が無い。
凪は微妙に困った表情をすると、とりあえずその手紙を一度鞄の中にしまい、上履きをとる。

「?」

ふと、下駄箱の中に何かを見つけて取り出す。
それは小さいメモで、そこに走り書きで、

『登校次第理事長室に来い。涼』

と、記されていた。

「……」

凪は物凄く顔をゆがめると、諦めた様に息を吐いて理事長室に向かった。






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