prologue

夢は叶わなかった。
だからすべてを私に託したのでしょう?
少女はそう内心呟いて、目の前の母親を見た。
母親は嬉しそうに小声で歌っている。
 
――そんなに歌いたいなら歌えば良いのに。
――私なんかに押し付けないで。

それが無理な事だとはわかっているけれど。
少女はそう小声で呟いて、少しだけ冷ややかな目で母親を見た。
母親は相変わらず小声で、綺麗な旋律をつむいでいた。




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