2012.4.26〜8.2
※孝之視点
仕事中、パソコンの横に置いていた携帯が震えた。
反射的に携帯を手に取り開けると、遊馬からの着信だ。
思わず笑みがこぼれる。
時計に目をやると16時。
今日は早いな、と思いながら電話には出ないまま机に置いた。
「出なくてよろしいのですか?」
隣で見ていた秘書が不思議そうに尋ねる。
「私用の電話だ。問題無い」
今頃あいつは家で必死に我慢をしているのだろう。
俺が許可を出してくれることを望んで携帯を握りしめ、電話に出ないことに絶望していることだろう。
そんなことを想像し笑みを浮かべると、秘書はますます不思議そうに首を傾げた。
次にまたかかってきたら出てやるとしよう。
それまで我慢できたらの話だが。
‐END‐
[ 55/59 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]