行っちゃだめ3

 







「美味しいでしょ、これ」

「あ…うん」

カフェに入ると亮介オススメのアイスコーヒーを勝手に注文された。
別に喉がかわいてたわけじゃないが、飲まないわけにもいかないので仕方なく飲む。
しかし冷たいコーヒーは今最も意識している尿意を煽るものでしかなかった。
しかもグラス1杯とは、けっこうな量だ。


「あのさ…そろそろ帰らない?」

思っていたより早く尿意は迫ってきていて、俺は限界が来る前に帰ればいいと考えた。

「え?今まで和也の行きたい店回ったんだから、次は俺の行きたい店回ってよ」

甘かったようだ。
それでだったのか、亮介が俺について来てばかりだったのは。
つくづく亮介は俺が考える以上の変態だと思う。

俺の行きたいところについて来ていたのは、オムツによって羞恥しながらの俺で十分楽しんでいるからだと思っていたんだが…この後に俺をついて来させることを考えた上での行動だったのか。

「俺の行きたい店にもついて来てくれるよね?」

「…行きたい店があるのか?」

「うん、あるよ」

そう言われると断ることができない。


コーヒーを飲み終えた俺は微妙な尿意を抱えたまま亮介の買い物に付き合うことになった。





 










「あー…ちょっと、待って」

カフェを出てからどれくらいたっただろうか。
あちこち亮介に連れ回されていたが、急に強い尿意に襲われ前屈みになり立ち止まってしまう。
しかし周りにはたくさんの人がいるため前を押さえたりはできない。
前屈みのまま足をバレないように少しだけ擦り合わせる。

「そろそろ、ヤバイ…かも」

強がって笑いながら言うが、その笑顔は誰から見ても引き攣っているだろう。

「ふーん。あ、あの店も行きたいんだよね」

俺の言葉は完全に無視され、亮介はスタスタと先に行ってしまう。


「っ…あいつまじ鬼畜…」

気を抜けば溢れ出しそうな尿意を何とか押さえ込み、平気な感じを装って必死に亮介をおいかける。


「ヤバイんだって、まじで…」

必死に追い付いて亮介の肩を掴む。
すると振り返った亮介は不思議そうに首を傾げて俺を見つめてきた。

「なら出せばいいじゃん?」

そう言われても、もしかしたらオムツの隙間から漏れるんじゃないかとか、漏れなくても放尿していることが周りの人にバレるんじゃないかとか。

「ッ無理だって…」

「じゃあ我慢しなきゃだね」

ニッコリとした笑顔なのに黒い。
今の俺には我慢を続けるかオムツに漏らすかの2択しか無いようだ。


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