出したいのは1

 
GW最終日。
やっと休みが取れた孝之は、疲れたと言って昨夜は12時には就寝してしまった。

そして現在朝の10時。
相当疲れていたのだろう。
孝之は1度も目を覚ます事無く眠り続けている。
いつも忙しい孝之の貴重な休日なのだから、休めるだけ休んでほしい。

そうは思うのだが。

「………ッ」

朝一番の強い尿意。
起きた時から強く感じていたが、今はそれ以上だ。
いつもならとっくにトイレに行かせてもらっている時間だ。
しかも昨夜は孝之が早々に寝てしまったため、寝る前にもトイレに行けていない。

「うー……」

とりあえず布団で漏らすことは避けるためにベッドからは出たものの、そこから動けずもじもじと足を動かす。
すぐ側では孝之が静かに寝息を立てているため、大きな音をたてる事もできない。
そっと前を押さえ前屈みでゆっくり移動し、なんとか寝室から出た。

しかし、これからどうしよう。
そろそろ起きるとは思うんだが。
孝之を起こすわけにはいかないので、今はひたすら堪えるしかない。

「は……ッく…」

リビングのテーブルに手をつき、前屈みのまま腰を揺らす。
テーブルもガタガタと音をたてて揺れている。




その音のせいだろうか。
寝室のドアがガチャリと開いた。

「うるさい…」

寝室から出ていきなりウザそうに言われた。
俺の物音がうるさかったせいで起きたのだろうか。
不機嫌そうに頭を掻きながら俺を軽く睨む。

「ごめ…ん、なさい…」

申し訳無く思い謝ると孝之は不機嫌そうな表情からいつもの表情に戻り、俺の頭をポンポンと撫でてからリビングを出て行った。
そして明らかにトイレを我慢している体勢の俺をよそにトイレに入る。

孝之がトイレから出てきたら俺も行かせてもらおう。
あと少しの我慢だ。

そう自分に言い聞かせひたすら堪える。










しばらくしてトイレから流す水音がして孝之が出てきた。

「孝之…」

前を押さえ腰を揺らしながら、リビングに戻ってきた孝之に縋り付く。

「俺も、トイレ…っ」

しかし、そんな俺を見ても孝之はニヤリとした笑みを浮かべるだけだ。

「孝之、もぅ…」

「我慢できないか?」

縋り付く俺の腰に孝之の腕が回され、尿でパンパンに膨れた腹を押し付けるように抱き寄せられる。

「ッあ……」

腰を引こうとするがしっかりと回された腕によりそれは許されず、じわりと下着が湿るのを感じた。

「無理、もう出ちゃ…ッ」

堪えるためにヒクヒクと内股が震える。
その震えも抱き寄せられている今、孝之には伝わってしまっているのだろう。

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