少しだけ5





チーン…


遠くでエレベーターの到着を告げる音が聞こえた。



コツ…コツ…コツ…



足音が近づいてくる。
この足音は。


ガチャ…

「なんだ、急いで帰ってきてやったのにお出迎えは無しか?」

「た、かゆきっ!」

玄関まで出迎えることなどできるわけも無く、俺はリビングから孝之を呼ぶ。

「孝之、も…早くッ」

「待て」

靴を脱いでいるのだろうか。
もうなんでもいいから早くしてほしい。
こうしている間にも少しずつ漏れてきている。

少ししてガチャっとリビングへの扉が開かれ孝之が入ってきた。

「…少しだけだと言っただろ」

「ッごめ、なさ…」

ビショビショに濡れた床に目をやると呆れたように言われた。
その床にしゃがみ込んでいる俺を冷たく見下ろしながら、上着を脱ぎネクタイを緩め始める。

「もう…無理、ぁ…」

孝之の顔を見て気が緩んだのか、我慢していたものがシャーっと勢い良く出てしまう。

しかしこれ以上我慢する力も気力も残っていなかった。

「あぁ…は…ぁー…」

流れ出したものが足まで濡らしていく。
すでにけっこうな量を漏らしていたが、放尿はしばらく止まらなかった。
冷たく見下ろす孝之と目が合い、羞恥心と解放の快感に震える。

 
「気持ち良かったか?」

全て出し切り放心している俺に孝之が尋ねてくる。
俺は何も言えずにただコクコクと頷いた。

「こんなに濡らして…」

そう言いながら俺の横に屈み、俺の股間に手を回してくる。

「勃ってるな」

「ぁ…っ」

いつの間にか俺は完全に勃起していた。
孝之に触れられその硬さは増していき先走りまで溢れ、すでに濡れているそれを更に濡らす。

「ぁ…たか、ゆき…」

ゆっくりと扱かれ熱が高まっていく。
足腰から力が抜け、このまま孝之に寄りかかってしまいそうになる。

「ぁ…ッぁあ…」

「おあずけだ。風呂入って来い」

「………え?」

「晩御飯の支度しとけよ」

それだけ言うと俺から離れ、孝之は自分の部屋へと行ってしまった。
俺はビショビショに濡れた中で股間を勃たせたまま呆然とする。

中途半端に高められた熱をどうすることもできないまま俺は濡らした床を綺麗にし、自分の身体を綺麗にするため風呂に入った。

これは漏らしてしまったお仕置きなのか。






結局この日俺がイかせてもらえることは無く、また違うものの放出を悶々と抱えることになった。



‐END‐

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