ねぇ、なんで?3

 






「はぁー疲れたー!」

「お疲れ様」

途中で晩御飯の休憩をはさみ、やっとノートだけは写し終えることができた。
時計に目をやるともう10時を過ぎている。
夕方頃に帰ってきて、晩御飯の時間を抜いても軽く2、3時間はやっていたことになる。

「漫画〜!」

「……………」

ペンを放り投げノートを閉じると、さっき読みかけだった漫画へと向かう。
前に亮介の家に来た時は5巻までしか無かった漫画で、新しく6巻がそろえられていた。続きが気になって仕方ない俺は早速それを手に取る。

「和也…」

「んー?」

座って漫画を読んでいる後ろから、ふいに抱きしめられた。

「…シよ?」

耳元で囁かれ思わず震える。

「ちょ…やめろって…」

ただでさえ迫られると反抗的な態度を取ってしまうのに、それに加え今は漫画の続きが気になる。
なので当然そんな気分ではない。

「和也…」

「邪魔だって」

「我慢できないんだけど」

「うるせぇなぁ…そんなにヤりたいなら一人でヤってろ」

少しイラっときて思わず言ってしまった。





この一言で地獄が始まるとは知らずに。

 
「…分かった」

「へ?」

そう言うと和也は俺から離れた。
よく分からないが、やっと離れてくれたのでまた漫画に目を戻す。



それから数分くらいたっただろうか。





「んッ…」


―………?


なんか後ろで変な声がする。
バッと振り向くと亮介はベッドに座りズボンの前を開けて自身を取り出し扱いていた。

「な、ななななにして…!?」

「なにって…オナニー」

「ば、バッカじゃねーの!」

顔を真っ赤にして俺は慌てて漫画に目を戻す。

何をやってるんだあいつは。
確かに一人でヤってろって言ったのは俺だけど、本当にヤるか普通。
しかもめちゃくちゃ色っぽいし、いやそうじゃなくてあいつバカじゃねーの。

「はぁ…和也…」

俺の名前を呼びながらオナるな気持ち悪い。

聞こえないようにしているのに、名前を呼ばれると意識してしまう。
必死に漫画に集中しようとするが、もう漫画の内容は全く頭に入ってこない。

「和也…ッ」

やめろ。名前を呼ぶな。

俺の身体がだんだん熱くなってくるのが分かる。
もう頭の中はさっき一瞬だけ見た亮介のオナっている姿でいっぱいだ。


「ッ……」

気がつくともう俺の自身もすっかり勃ってしまっていた。


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