ねぇ、なんで?2
「和也、帰るよ」
「おう」
土曜の授業を終え、これから俺は学校から直接亮介の家に行き1泊して日曜も勉強を教えてもらう予定だ。
小テストは月曜に迫ってきているので、この土日でみっちり叩き込もうというわけだ。
「今日と明日、うち親いないんだよね」
「へー…」
はたして本当に勉強できるのだろうか。
すでに嫌な予感しかしないが、まぁでも久しぶりの泊まりなので、そういうコトがあってもいいかな…と少し思ってしまっている。
「さ、入って」
「おじゃましまーす」
何度目かの亮介の家。
2階建ての一般的な一軒家だ。
すでに家には誰もいないようで、亮介が鍵を開けて中へ入る。
「何か適当にお菓子用意するから、先に部屋行っててよ」
「ほーい」
2階に上がり突き当たりの部屋が亮介の部屋。
部屋は綺麗に片付いていて、俺の部屋とは大違いだ。
「はぁ…重かった」
着替えなどが入っているためいつもより重い鞄を下ろし、床に座ってくつろぐ。
ふと目についた本棚から漫画を取り読んでいると、亮介がポテチとジュースを持って入ってきた。
「なんで漫画読んでんの…」
「んーちょっとだけ」
呆れたように呟かれるが気にせず漫画を読み続けていると、バシッと教科書で頭を叩かれた。
「ってー!」
「勉強…しようね?」
「…あ、はい」
黒い微笑みを浮かべて言われ、俺は素直に従うしかなかった。
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