ねぇ、なんで?1
「じゃあここまでの範囲で来週のこの時間は小テストします」
「え!?」
教師による突然の小テスト宣言。
「半分とれなかった人は追試しますよ」
俺は頭が悪いわけではないが、めちゃくちゃ良いわけでもない。
今までのテストではなんとか追試は免れてきたが、今回はそうはいかない自信がある。
その自信の原因はこいつしかいない。
「おい」
「ん?なに?」
「ノート写させろボケ」
例のリモコン付バイブを購入してからというもの、亮介はしょっちゅう授業中の俺にソレを入れて遊んだ。
おかげで俺は授業をまともに聞くことができず、ノートも変な線がぐちゃぐちゃと書かれているだけだ。
「駄目だなぁ、ノートはちゃんととらなきゃ…」
「お前のせいだろ!!」
日頃の恨みもあるが、毎回流されてしまう自分にもイライラしており半分八つ当たりのように亮介に言う。
「はいはい…分かったよ。なんなら一緒に勉強する?ノート貸すと俺も困るしさ」
半分呆れたように言われまた少し腹が立つが、確かにノートが無いと困るだろうし亮介は俺より頭が良いから教えてもらえると助かる。
「追試になったらお前のせいだからな」
というわけで俺は亮介に勉強を教えてもらうことになった。
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