我慢しなさい4
気がつくと、俺はまだ孝之のベッドにいた。
時計を見るともう12時をまわっている。
慌てて起き上がるが、腰に痛みが走り床に崩れ落ちた。
「いて…」
朝の出来事を思い出し顔が赤くなるが、シーツも身体もきれいにされていて夢なんじゃないかとも思った。
ふと枕元を見ると小さな紙切れがあり、綺麗な字で『仕事行ってくる。晩御飯の用意はちゃんとするように。』と書かれていた。
そういえば朝御飯を作ってない。
また怒られてしまう。
タダで住ませてもらっているのに家事もせず命令も守れず朝早くにうるさくして起こしちゃって…絶対お仕置きされる。
「はぁ……」
自分の行いに落ち込みながら、俺は晩御飯の仕込みを始めた。
お仕置きは何をされるんだろう、と考えながら。
プルルルル…プルル、
『もしもし』
「孝之ッ…」
『どうした』
「朝、トイレ行ってないから、もう無理ッ!」
『…我慢しなさい』
‐END‐
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