風呂にしよう3

 
「ごちそうさま」

「ご、ちそさま…」

やっとのことで食べ終えた。
しかしまだやらなければいけないことが残っている。

食器の片付けだ。
これがかなり辛い仕事なのだ。
両手を使うので押さえられないし、水を見ていると尿意が強くなる。

しかし、やるしか無いわけで。
なんとか立ち上がるが、すぐ前屈みになり足をクロスして立ち止まってしまう。

「漏れそうか?」

「さっきから、そう言ってるじゃんッ!」

孝之はニヤニヤ笑いながら、そんな俺をツマミにビールを飲む。

「来い」

「………ん」

前屈みのままじりじりと孝之のところへ行く。
すると軽く抱き寄せられ、ぽんぽんと頭を撫でられた。

「それ片付け終わったら…風呂にしよう」

それは、出させてくれるという意味で。

「ん…分かった…ッ」

孝之はずるい。



そして俺は食器を持ち、ゆっくりとキッチンへ運び始めた。

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