風呂にしよう2

 
「あー…トイレ…もう…うぅー…」

ぶつぶつと自分でも意味の分からないことを呟きながら、腰を引き片手で股間を押さえ、もう片方の手でカレーを混ぜる。
この欲望を出せるのはいつになるだろう。
早くてもご飯を食べた後だ。
食べ終わってすぐにさせてくれるだろうか。

「調理しながらそんなところ触るな汚い」

いつの間にか後ろに孝之が立っていて、煙草に火をつけながら言う。

「でもっ…」

「でもじゃない、手を離せ」

「ッ……」

そっと手を離したがやっぱり急激に辛くなる。
激しく足踏みをして何とか堪えたが、ちょっとちびったかもしれない。

「用意できたら呼んでくれ」

そう言い残すと孝之は着替えるため自分の部屋に戻った。

「…ッ!」

それを確認すると直ぐさま股間を押さえる。


結局そんな状態でカレーを温め続けた。










 
「いただきます」

「い、いただきます…」

やっとの思いで完成したカレー。
あと適当に盛りつけたサラダが今日の晩御飯だ。

「うん、美味い」

「……………」

俺はもうカレーの味なんか分からない。
食事中も股間を押さえると怒られるので、イスに押し付けるように腰を揺らしながら、黙々とカレーを口に押し込む。

「ぁ……ッ」

突然強い尿意の波が襲ってきて、思わず股間を押さえてしまう。

「こら、離せ」

孝之の命令は絶対だ。
しかし今手を離せば本当に出てしまう。

「も、無理ぃ…」

「離せ」

冷酷な孝之の声。
俺はこの人には逆らえないのだ。

「う……はい…」

尿意の波が少しおさまり、なんとか手を離す。

「離し、ました…」

「良い子だ」

そうやって褒めたりしてくるから、余計に逆らえないんだ。

そしてまた黙々とカレーを腹に詰め込む。
特に会話は無いまま、食事は進んだ。



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