できるよね5

 



 
「おはよ。なんか顔が死んでるよ?」

翌日。
登校して教室に入ると俺より先に亮介は来ていて、俺を見てクスッと笑いながら平然と言い放った。

「うるせーよ」

余裕そうなその態度にイラッときてしまう。
昨日はムラムラして結局ほとんど寝れなかった。

「大丈夫?」

大丈夫じゃねーよ、完全にお前のせいだよ。

「もしかして、ムラムラして寝れなかった?」

「ッるせーって言ってんだろ!」

バンッと鞄を机に叩きつけたところで担任が教室に入ってきてしまった。
うるさいぞーと担任に軽く注意され朝の会が始まる。


なんで亮介はあんなに平然としてるんだ?
あんな性欲の強いやつが、こんな簡単に我慢できるのか?
いや、こんなに我慢できるわけない。

我慢できるわけ…

そう考えてから、ふと気になった。
亮介は本当に我慢してるのか?

「おい…」

亮介とは隣の席なので、体を寄せてこっそりと話しかける。

「お前も、その…ちゃんと我慢してんだよな?」

「なんのこと?」

え?

「いや、その…」

「ああ、射せぃンムグッ」

「しーーーーっ!」

小声とはいえ射精とか他の人に聞かれたらたまったもんじゃない。
慌てて亮介の口に手を押し当てる。
幸いみんな真面目に担任の話を聞いておらずザワザワしているため、周りには聞かれてないっぽい。

「だから、その…出すの禁止ってやつ」

「あぁ…俺が我慢してると思ってるの?」

「…え?」

亮介はニヤッと黒い笑みを浮かべながら冷たく言い放った。

俺がこんなに辛いなら亮介も辛いはず。
性欲の強い亮介ならそろそろ限界なはず。

そう思っていたのに。

「俺が我慢すると思った?」

その言葉を聞いた途端、カッと頭に血が上るのが分かった。
亮介を殴りとばしたい衝動を抑えて拳を握りしめる。

「ッ…さいてー…」

ボソッと聞こえるかどうか分からないくらい小さい声で呟く。

10分ほどの朝の会が終わり担任が教室から出て行った瞬間、俺はイスを蹴りとばす勢いで立ち上がり教室から逃げるように走って出た。



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