トキキヨ〜   2011/01/12 01:49

トキオさんはキヨタカの事を「何だかんだで泥に塗れた事の無いエリートのお坊ちゃん」だと思ってます。
キヨタカはトキオさんの事を「優秀だけど胡散臭い権力の狗」だと思ってます。


お互いいけ好かない。


トキオさんは本当に自分ひとりだけで這い上がってきたので、本人にそんな気が無くても親の七光りで守られてるキヨタカの事を最初見下してるんだよ。
「所詮は机上の論理しか知らない甘ちゃんなキャリア様」ってね。
タマキをもう一回受け入れたのも、諜報の問題児2人も抱えてるのも「親御さんのお力があるってのは実に素晴らしい事で。羨ましい限りの苦労知らずですね」なんて厭味に思ってるんだよ。
でもJ部隊に入ってキヨタカが自分の進退よりも何よりも、ヒカルやカゲミツを含めた部下達を優先して必死で守ってるのを知ってちょっと見方を変えます。
「甘いなぁ、そんなんだからキャリアの癖に未だにこんな部隊長なんてやってるんだよ」とか思ってんだよ!
「できればそのままでいて欲しいけどね、ついでに出世もして」とかね!
あと、「あんたの詰めの甘い所は嫌いじゃないですよ」とか突然言うの。


キヨタカはキヨタカでお父さんからのお目付け役って事で警戒してます。
だってトキオさんは「訓練された特殊部隊員」だから。
命令があればさっきまで一緒に笑っていた親友だって撃てるよ。


弱味は完全に握られているし、立場上自分が上官とはいえトキオさんの方が何倍も場数を踏んでて上手だし、知ってる情報もきっとトキオさんの方が多くて情報の入手ルートも負けてる。あと公安部長も含めた人脈も。
トキオさんがJ部隊を潰しに掛かってきたら実力でも権力でも対抗する術が本当にない。


そんなんで、マジ目の上のたんこぶ!! うざい!!
何処まで知っていて何処までやる気なんだ? ってずっと思ってるの。
あ、何が目的かなんて明白すぎるので興味なしね!
本当に、少なくとも、作戦中だけは信用して良いのか、機会があればタマキ達を始末する気なんじゃないかって毎回毎回気が気でなかったりするんだ。



そんな感じでいつもトキオさんの意図を量ってます。
で、だんだんタマキに絆されてくのに気付いて油断し始めるんだけど、それには勿論トキオさん気付いてます(笑)
トキオさんは自分に対して「良くない傾向だな」と思ってんの。
でも部下と小さいとは言え自分の組織を守ろうとするキヨタカの姿勢を見てて「何のためにこの仕事に就いたんだっけ?」とか自分を振り返り始めるといい。



で、結論。
「キヨタカ隊長は、組織のために仲間を見捨てたことあります?」
「……幸運にも、まだないな」
「そうっすか。羨ましいですね」
「そうだな。運が良かった」
「俺はありますよ。何度も。何度もね」
「……突然なんだ?」
「隊長。もし、仲間を見捨てなきゃいけなくなったらどうします? 見捨てられますか?」
「……俺は、見捨てない」
「甘いですねー」
「どんな状況でも、絶対にだ」
「そんな事言って、切り捨てる物を切り捨てないと本当に大事なものまで無くなっちゃいますよー?」
「見捨てなきゃいけないような状況は作らせない。作らせたら、司令官失格だ」
「……本当に甘いことで」
「部下は皆俺のものだからな、勝手に処分はさせないさ」
「……まあ、そうなったら汚い所も嫌な所も全部俺が泥引っ被って持ってきますから安心してくださいよ」
「どういう意味だ?」
「そのまんまですよ、せいぜい後悔しないように。それじゃ、お疲れ様でした〜☆(ニコッ)」
「……トキオっ!」



上層部に逆らってもキヨタカが守りたいJ部隊を守ってやるよ宣言!!
だけど伝わってない伝えない☆
キヨタカは「俺がきっちり始末してやるよ」って受け取って余計気を揉むんだ(笑)
だから後でのトキオの行動に本気で驚くよ。




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