オミカゲ。   2010/12/30 23:28

オミに対して誰かに言ってほしい科白があるんだけど、誰がいいかなー。
って色々考えてたんだけど、結局カゲミツになりました。
タマキじゃあんまり説得力が無かったんだ。
まあ、キャラの中でオミに思い入れがあるのはヒサヤとカゲミツだけだし。


あ、あと前に書いたトキオさんとオミが同じ種類の人間っていうのの共通点は、絶対多数のために少数を見捨てる事が出来る人間だってところです。
最大公約数の幸福だね(笑)



カゲミツエンドのあたりです。


「横領事件の真相、公表されて良かったな」
「そうだね」
「なんだよ。あんま嬉しそうじゃねーな」
「いや嬉しいけど……たったこれだけの為に一体何人が死んだんだろうね」
「……だけど、それは……仕か――」
「仕方無かった、なんて言う? タマキみたいだね。感化された?」
「――っ」
「時間はかかるけど正当な手段で無実を証明する事だってできたんだ。無関係の人間も沢山巻き込んで殺した。あの使用人夫婦を殺した事は悪いなんて思ってないけど、子供は関係なかったしね」
「これから、生きて償っていけばいいだろ!」
「本当にタマキみたいな事を言うね。昔からは考えられない程の人間的な成長だよ」
「茶化してんじゃねーよ」
「……家族や友人をガス室送りにされた人に、あの独裁者にも事情があった、だから仕方なかったんだ、って言えるかい?」
「……」
「俺としては司法が裁いてくれるのが手間が掛からなくて良いんだけど。この国の司法は俺を裁く気は無いらしい。全く腐った国だよね」
「そんなに死にたいのかよ」
「うーん、父の汚名は雪げたしね。ヒサヤはもう居ないし、妹はちゃんとした病院に入れてもらえて俺が居なくてもカゲミツが見捨てないだろうから大丈夫。やりたい事も別にないからもう生きてる理由も特にないね」
「……とくに、ない」
「いっそ遺族一人一人に拳銃渡して『あなたの家族を殺したのは俺です』って言って回ろうか。一人くらい逆上して発砲するんじゃないか?」
「何考えてんだよ……」
「自分でもどうしたら良いのか正直困ってるんだよね」
「生きて償えっつってんだろ!」
「こんな凶悪犯が拘束も行動制限もされずのうのうと生きてる事が許されると思ってるの? 権力者の都合で司法っていう正義が捻じ曲げられてるんだよ? それでも警察職員?」
「うっせーよそんなん知らねーよ! 俺はお前が生きてここに居てくれて嬉しいんだよ! 知ってる奴が周りから消えるのはもう嫌なんだよ! だからここに居ろよ」
「気持ちは嬉しいけどね。俺は俺自身と俺を生かしておくこの国が許せないよ」
「俺が生きてて欲しいって言ってんだから生きてる理由あんだろ!?」
「……カゲミツ」
「俺にはお前が必要だって言ってんだよ」
「まるで愛の告白のようだね」
「茶化すな! 俺はちゃんとお前とやり直したいんだよ」
「前向きに検討するよ」
「オミ! ってどこ行くんだ?」
「……カゲミツ、ありがとう」



涙目だから暫くトイレにこもるよ(笑)




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