自力まとめ63 ボンボン ミーツ ワープア文化   2014/04/18 21:30

デスクに置かれたプラスチック製の容器とガラス瓶。
まさか、都市伝説じゃなかったのか。
こんな物が本当に存在したなんて。
対面ではヒカルが真剣な顔で時計を見る。
「2分25秒。良いぞ、行け!」
規定より少し早いが、容器の蓋を開け軽く混ぜた。
異様な臭気と、濁った液体に緊張が走る。
「い、いくぞ!」
ヒカルが大丈夫だ、と力強く頷いた。
「いただきます!」
箸で掬い意を決して口の中に入れる。
熱い。
何だ、これ。
今まで食べたどんな物とも違う味だ。
味を確かめるようにもう一口。
駄目だ止まらない。
一気に平らげてガラス瓶の中身を飲む。
これも知らない味だ。
やたらと舌と喉を刺激する。
本当に、こんな物が。

信じられない奇跡を目の当たりにしたみたいな、呆けた顔を見てヒカルがにやりと笑う。
「旨いだろ、カップ麺と栄養ドリンク」
「……麻薬みたいだ」
「今度は硬貨持ってファーストフードな」
「硬貨ってまだ流通してるのか!?」
ヒカルは笑って言う。
世界は広いんだぜ、と。
世界は本当に、知らない事だらけだ。



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