自力まとめ60 愛しのエリザベス   2013/11/28 14:19

「キヨタカのばかやろう」
枕を拳で叩く。
俺と言うものがありながら、あっちこっちに手出しやがって。
俺の気持ちも考えろ。
ミーティングルームじゃ余裕ぶってるけど、心の中はジェラシーストームだよ。
腹が立つ。
本当に腹が立つ。
あ、そうだ。
カゲミツ、その肉まん1つ恵んでくれ。
エリザベス。


ヒカルが狭いワゴン車の簡易ベッドの上で暴れている。
酒なんか一滴も飲んでないのになんなんだよ。
そういえば今日はキヨタカがカナエにちょっかいを出していた。
ミーティングルームでの本妻の余裕はどこだ。
タマキの事考えてる時の俺ってこんなんなのか。
自重しよう。
どうでもいいけどエリザベスは渡さない。


カゲミツの視線が微妙に冷たい。
うるさい、いつも俺はお前に我慢してるんだ。
たまにはいいだろ。
あっちこっちに色目使うキヨタカに腹が立つ。
そんでそれにムカついてる俺にも腹が立つ。
キヨタカの何処が良いかって?
全部に決まってるだろ!
変態なところも、気持ち悪いところも、優しいところも!


うざい。
泣くか怒るかにやけるか、どれか1つにしろよ。
つーかキヨタカの何処が良いんだよ、確かに見た目は良いけどよ。
変態だろ。
気持ち悪い。
下心満載の優しさだろ。
あ、もう良いです、それ以上キヨタカについて喋らないでくれ。


「キヨタカのばかやろうー」
もう一度叫んだところで扉が突然開いた。
カゲミツと一緒に思わず悲鳴を上げる。
「せっかく差入れを持ってきたが。必要なのはお仕置きのようだな?」
いえ、結構です。
「遠慮するな」差入れの袋を渡される。
愛しのエリザベス。
憎たらしい笑顔の眼鏡。


ああ、俺はキヨタカと生きていくことを決めた。
「安いな!?」
カゲミツの声を無視してキヨタカの胸に飛び込む。
だって、俺が今一番欲しいものを解ってくれるんだぜ?
それがどんなにくだらない物でも。
だから、たぶんずっと。


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エリザベスまんまだ食べてないです。



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