自力まとめ44 自由への。   2013/07/15 19:39

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襟章を力任せに外して上官の机に叩きつけた。
指の隙間で金色が鈍く光る。
これが、俺の答えだ。
ポーカーフェイスの上官のを睨み付けた。
「俺はあんた達の狗だった。だが心まで屈服した覚えはない」
命令書を床に投げ棄てて踵を返し、部屋を出る。
俺は狗じゃない。
口の中で呟いて携帯電話を投げ捨てた。

そこまで妄想して命令書から顔をあげる。
了解の代わりに愛想笑いで上官を見た。
オーケー、俺に逆らう権利は無い。
彼がこの部屋の支配者だ。
その地位は彼自身の力で手に入れたのだ。
文句などない。

襟章の形を確かめるように握る。
全部隊の頂点に登り詰めた証だ。
誰が、手放せるものか。
もっと上まで行ってやる。

力が欲しい。
誰にも命令されない力が。
もう一度襟章を握りしめて立ち上がった。






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という甘んじて札束で頬を叩かれるトキオお兄さん。



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