自力まとめ25 オミユウの続きのユウナオと言いつつ結局オミ様。   2013/03/24 15:50

「あいつと何話してたんだ」
ナオユキが怖い顔をしている。
「ナイツオブラウンドだった時の話だよ。誰かに聞いて欲しかったみたい」
「ふーん…」
唇を尖らせてる。
ナオユキは時々こんな風に突然不機嫌になる。
「スパロウとあんまり口利くなよ」
「どうしたの? オミ君、そんなに悪い人じゃないよ」
「K部隊、友達も知り合いもたくさんいたんだ」
「…そっか」
オミ君が言ってた、オミ君に一番関係ない人間っていうのはそういう事か。
確かに俺はオミ君と個人的なしがらみは無い。
「だから、あいつを許せないんだ」

「許して貰おうなんて微塵も思ってないから構わないけどね。謝る気もないし」
「オミ君」
「スパロウ!」
オミ君が踊り場の影から出てきた。
缶コーヒーを2本。カゲミツ君のかな?
「スパロウじゃない。オミだよ」
ゆっくりと階段を昇ってくる。
「人の影口は本人の目の前か本人に絶対見つからない所で言ったら?」
「ごめんなさいオミ君。ナオユキは――」
「俺、お前が許せないんだ」
あ、本人に言っちゃった。
「あ、そう」
そのまま行ってしまうのを服を掴んで引き留めた。
「待って、ナオユキの話も聞いてあげて」
オミ君はちらっとナオユキを見る。
ナオユキはオミ君をにらみ返してる。
「聞こえてたよ。K部隊だろ」
「友達がいたんだよ」
「それはそれは御愁傷様」
「何か言う事ないのかよ」
「別に無いけど」
どうしよう、喧嘩が始まっちゃった。
殴りあいにならないようにしなくちゃ。
「こんな仕事だから解ってるけど、でも目の前に首謀者がいたら理屈なんか飛んでくんだ」
「そう」
オミ君の空気が変わった。
あれ?
とりあえず、気まずい。
どうしよう。
「それで俺にどうして欲しい? 殴る? 謝らせる?」
「……」
「……謝る気はないけど悪かったとは思ってるよ」
ナオユキが驚いた顔をする。
「悪い、とは思ってるんだ……」
「友達亡くすのは嫌だろうしね」
そろそろ良い? 服放してくれる? と感情の無い声で言われた。
「あ、ごめんなさい」
慌てて手を放すとそのまま行ってしまった。


「つまり、素直じゃない奴なんだな」
ナオユキのオミ君を見る目がちょっと変わった。

きっと、これから仲良くなれるに違いない。
楽天的だけど、そう信じることにする。



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