自力まとめ24 まさかのオミユウ   2013/03/24 15:42

そんな物に一番縁遠そうな奴に訊いてみた。
「ナイツオブラウンドだった時の俺って何考えてたと思う?」
突然話し掛けられて驚いたのか固まる。
「…復讐、じゃないんですか?」
長い黒髪が傾げた頭と一緒に揺れて鬱陶しい。
バッサリ切ってやりたい。
「そう、どんな気持ちだったか解る?」
返答に困って視線が泳ぐ。
パートナーに助けを求めたいようだが残念、今はいない。
「…僕には解らないです。何かに復讐しいと思った事、ないですし」
だろうね。だから訊いてみたんだ。
「憎しみで一杯だと思うだろ? 恐ろしい程ね、何もないんだよ。空っぽなんだ」
頭はいつも色々と考えてるんだけどね。
憎しみで一杯の自分も、確かにいるんだけど、色々と復讐の計画を立ててる自分も確かにいるんだけど、全部他人みたいに思ってたよ。
「…だからゲームだなんて言ってたんですか」
「…そうかもね」
「あなた本当は人を傷付けるの苦手でしょう」
「別に平気だけど」
「平気な振りをするのが得意なんですね」
「平気な振りをするのは得意だよ」
習い性でさ。
悲しい事も、辛い事も、怒ってる事も、嫌な事も、泣きたい事も、苦しい事も、全部飲み込んで何でもない振りをするんだ。
弱いところは、見せられないからね。

さっきまで反らしていたのに真っ直ぐに目を見てきた。
「疲れません?」
意外な言葉に目を見張る。
疲れる? そうだ、疲れるな。
何だか可笑しかった。
急に笑い出した俺を不審な目で見る。
「君と話して良かったよ。タマキより素直に聞けそうだ」
笑いが止まらない。

「そもそも何でこんな話を始めたんですか?」
責めるでも無く単純に疑問だと言う口調で言う。
だからだよ。
「君が一番俺と関係なさそうだったから」
よく解らないですね、とまた首を傾げる。
ああ、その邪魔な髪を切ってやりたい。
ストール並に邪魔だ。
「俺で良ければいつでも聞きますよ」

――まあ、追々よろしく。




オミは今でも面倒見良くて優しいのですが、ちょっとやな事一杯あって表面上ひねくれてるだけ!
(夢見てます)カゲミツには言いにくい事も言えない事もあんまり接点ないユウトにはこぼせる、みたいな。



----------------









|


INDEX
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -