BLUESTAR 4   2012/04/01 21:35

特殊部隊員が呻き声を上げて転がる。

心臓が早鐘を打つ。
息が荒い。
銃を向けたまま立ち上がろうとして叶わず膝を着く。
特殊部隊員にいざり寄り武器を奪って止めを刺した。


もう一人、近くにいるはずだ。


頭を上げているのが辛い。


立ち上がって、身を隠さなければ。


あたりを見回すと、特殊部隊員の手が目に入った。
その手は無線機の通話ボタンを押したままになっている。
一気に血が下がる。
目の前が暗くなる。


どうすれば、良い?


通話ボタンは長時間押しっぱなしになると自動切断されるはずだ。


タマキは震える手で無線機を取り上げて、通話ボタンを再度押した。








「……C-02から本部」
『本部です。どうぞ』
「地点5から東へおよそ30mのビルで目標発見。目標は屋外へ逃走。至急応援願いたい。どうぞ」
『了解です。どうぞ』
「以上C-02」


無線機を放り投げまた家具に凭れて座り込んだ。
タマキは目を瞑る。

かつての上司の命令が無線機から流れている。
よく通るはずの低い声が、無線だと雑音に紛れて聞き取り難い。



――やっぱさ、ヒカルとカゲミツが作った通信機じゃないと駄目だな。性能が悪すぎる。



限界が近い頭でそんな事を思う。
うっすら目を開けて、天井を見上げる。
窓から入るネオンが眩しい。






――カナエ、大丈夫かな。








扉を、開ける音が響いた。





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