さて、どうすれば良いのか
時刻はPM11:46。日付が変わる少しまえ
場所は玄関、相手は正座をしながら青ざめた顔をして居る
全ての始まりは、15:32に届いた二通のメールだった
差出人:いぶっきー
件名:今晩
本文
ちょっと課長の接待に付き合うことになったので帰りは遅くなる。ごはんは食べるから残しておいて
一通目は伊吹から。
まぁこれは仕方無いよなぁと思い、晩御飯のメニューを頭の中でレンチンでも美味しいものに切り替える
そして二通目。これが問題と言えば問題だった………
「なち、ごめん…本気でごめん……」
まぁ、何で突然正座で謝ってくるのか知ってるんだけどさ
知ってはいるけれど、一応促してあげる
「どうしたの伊吹」
「俺、俺っ……なちと言うものがありながらっ…!!」
がん!!と土下座をされてさすがにびっくりして伊吹の前にしゃがんで軽く肩を叩いて起き上がる用に促すも、伊吹は動かない
「キャバクラに行ってきましたああああ!!!」
やっぱりそれか
最早笑いしか出ない
「あぁ、別に良いよ」
「良くない!!いくら課長に接待だって連れ回されたとは言え、愛する那智留と言う妻がありながら!!」
「だって伊吹を連れてけって指示だしたの、うちの父さんだし」
差出人:あきらくん
件名:借りる
本文
今夜、最悪な接待があるからお前の旦那借りるぞ
そんなメールが二通目で
父が言う最悪は取引先が女または女好きでコンパニオンやキャバクラが必要になる接待だ
女社長が相手なら伊吹は連れて行かないだろう。だからキャバ嬢かコンパニオンに絡まれたかだとはなっから予想していた
「ごめん。もう行かないから、ごめん」
「いや付き合いや接待は会社員である以上仕方ないから大丈夫だよ」
一応気にしてないんだけど、私以上に気にしまくりな伊吹はどう慰めても私の声は届いて無かった………
抱きついてくる伊吹の背をぽんぽんと叩きながら、ポケットの携帯にメールが届くのを感じた
『会社付き合い≠浮気』
差出人:あきらくん
件名:無題
本題
お前の旦那ずっと那智留ごめんなさいって凹んでたぞ。愛されてるのは良いが、ちゃんと仕事との割りきりを教えとけ
帰