「ごめんなベータ、恐い思いさせて。あいつもベータが悪い訳じゃ無いのはわかってても、当たらなきゃ自我が保ってられないんだ」

汚い狭い、ベッドがある部屋で
ベッドの上に座るアルファの膝に横向きで座らされる
嬉しそうに笑ったアルファは何度も私の顔に唇を寄せてきて……よくは分からないけどそっともたれ掛かってみた


「やっぱりベータが好きだ。ずっとベータだけが好きだ。他の奴は俺たちと違う生き物だから……ベータじゃないと嫌だ好きだよベータ、だからずっと俺と一緒にいて離れないで?」


やはりアルファも外の世界に出たためか、昔よりも強い感情を抱くようになっている
感情は良くない。気分によって結果を左右されてしまうから


「……私は研究所に戻るよ。まだやるべきことが残って「駄目だ!!!!」」


急に強く言われて、迷い無くベッドに押し倒される
拗ねたような怒ったようなアルファの顔が近づいたと思えばまた唇が重ねられて


今度は先程よりも乱暴的に口の中をかき回される

「ん……っふ…」

歯がカチカチと当たり合いながらも、私の中を暴れる舌は止まらずに
限界まで口を開かされて、二人分の唾液が私の唇のはしから垂れる

苦しくて生理的な涙が浮かび、ようやく唇を解放されたときは酸欠で頭がくらくらしていた


「ある、ふぁ…」

「あの時連れて行けなくて後悔した。子供の時からずっとずっと、俺の世界はベータだけなんだ……たとえ兄妹でも、唯一の同族のベータを愛してる。だからもう二度と離さない」

首をかぷりと食まれ、熱い舌で舐められると真っ白いシャツは一気に破り裂かれた
露になった私の乳房を見ると、アルファは目の色を変えて骨張った掌で揉みしだく

「だめ、アルファ、やめっ…ん、だめ…」

首も鎖骨も舐められ吸われて
やわやわと乳房を揉まれ人差し指でくりくりと乳首を弄られるとなんだか腰がムズムズする

知識でしか知らない性交を今からアルファがしようとしているのはわかりはするが


「駄目じゃない」

「ひゃっ、やだ、ん…や、ぁ…」

徐々に位置を下げたアルファの口が片方の胸の突起を食べて、舌先で刺激を与える

駄目なのに、それなのに上手く拒めない

拒むためにアルファの髪を掴むも力が入らないし入ったところでアルファに敵わない


「ヤバい、ベータ可愛い……ねぇ見て、人間の女じゃ起たなかったのに俺ベータを触るだけでこんなんだよ」

「駄目だ、ょ、あるふぁっ、ぁ、ん、ぅっ」

すりすりと、たぶん成熟した性器を擦り付けられて
制止を求める理性が、本能と戦う
腰が砕ける感覚と背筋を走るナニか


あぁ、そうか
私たちはあの生き物の子供だから
………生殖活動に入ると止められないのかな。あの生き物も一度活動に入ると満足するまで止められ無かったと記録に残っているし

「ベータ感じてる?すっごいグショグショで可愛い……俺以外の男にここを許してなんか無いよね?」


片方の胸を解放されたと思うと、迷わずズボンや下着も引きちぎられて
無遠慮に秘部に指を突き入れられる
それだけでとろり、と自分の体が交わる準備を始めたのがわかった


「は…っあ…あぁっ…あるっ…んっ…」


他の人間の性交渉は見たこと無いが、濡れすぎじゃないだろうか
耳を塞ぎたいくらいぐちゃぐちゃと音を立ててかき回される。初めてでも痛みは無い。もっとも、たとえ痛みを感じたとしても私の体は即座に治るからたいした意味は無いけど

彼が成長して運動能力が増したように
私の治癒能力も異常なまでに成長していた


「愛してるんだよベータ。ベータ以外はいらないから、お願いだから俺の側に居てね?」

まるで水に浸したあとのように濡れそぼった指が私の中から抜かれ
それをぺろりと舐めるアルファから思わず目を逸らすと、その瞬間


「あ……ああ、ぁ、ああああっ!!」

「ベータ…」

膝裏を抱えあげられて、容赦無く一気に膣の中にアルファの性器が入れられた
ドクンドクンと、私の中に違う命が入っているのがわかる

熱い、お腹がいっぱいで苦しい…………


でも



き も ち い い



「ベータ、ベータ!!」

「あっ、あ、ぁ、んぁ、あぁっ」


ぐちゃぐちゃと掻き回される度に愛液が飛び散り
膣の全てで快感を感じていると熱が高まり全身が性感体になったように、ベッドで衣擦れするだけでも堪えきれない快楽を感じる


「はぁ…凄い絡み付いて、気持ち良い」

「やぁ……やめないで、もっと…」

「っ!?ベータ!!!」


アルファの性器が擦れるだけで、むずかゆく堪えきれない欲望が溢れ
服を引き裂かれた私とは違い、ズボンを寛がせただけのアルファの服を掴み泣きつけばあやすように頭を撫でられ遠慮容赦無く一番奥に熱を打ち付けられた


「可愛っ……ベータ、ベータ、愛してるっ」

「はぅあっ、だめ、あ、ああっ!!!!!」


汗まみれになる私たち
余裕の無いアルファの表情に胸がどきりとして

子宮の奥に精液を注がれると全身が粟立った

────モット
─────モット、モット、
───────タネヲ、モット、チョウダイ

その時、私の理性は完全に砕け散った


「もっと……もっと頂戴、アルファぁ」


イッたばかりで息が荒いアルファにしがみついて、自ら腰を振る
欲しい。精液が、私の中に。子供が出来るまでいっぱいいっぱい欲しい

「ん、俺もまだまだシたい……」

そんな私に嬉しそうに微笑む、私と同じ化物



私たちの交わりは結局そのまま軽く10時間以上は続いた




私たちは紛れもなく、あの化物の子供だった







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